ハトノフン事件
自転車に乗っていたら、電線にとまっていた鳩が脱糞してきた。
幸い私始め周りの人にhitはしなかったが、その時中学時代のこんな思い出がよみがえった。
ある朝登校したあと自分の席で授業の準備をしていると、別のクラスからひとりの友人が引きつった顔で私の席へとやってきた。
彼女は幼稚園が同じではあったが、中学に入ってから特に親交があったというわけでもない。
そんな彼女が重々しく、そして小声で次のようなことを言った。
「ハトの……フンが……スカートについて…………」
見ればスカートにはグラフィックアートよろしく盛大に白い"ペイント"があった。そしてあのえも言われぬ匂い……
彼女は酷く動揺していた。
どうしたら良いだろうかと彼女は言った。
私も普通に動揺した。動揺したのでスカート履いてる状態なのにそのまま洗い場で摘み洗いを試みた。
たしかその後幾許か冷静さを取り戻し、保健室にスカートを借りに行くことを勧めた気がする。
しかし彼女は動揺した中、なぜわたしに助けを求めに来たのだろうか……未だに謎のままである。
(22.10.22)